大腸ポリープ切除
大腸ポリープ切除
大腸内視鏡検査を行った際に大腸ポリープが見つかった場合、当院では内視鏡を用いた(日帰り)切除を行っています。
これは内視鏡の先端から専用の切除器具を出してポリープを切除するもので、入院や開腹手術の必要がなく、患者様の負担を大幅に減らすことができます。
目安として、ポリープの大きさが5mm以上まで育ったものは内視鏡的切除が勧められます。微小な良性ポリープは経過観察が可能です(切除も可能ですが出血リスクは同等にあり)。大型のポリープでは、紹介先の病院へ入院しての切除が必要なことがあります。多数のポリープがある場合は、一度にすべてのポリープを切除できないことがあります。大腸ポリープを切除した場合の費用は、(3割負担の場合)2万~3万円程度となります。ポリープの数・部位・大きさ・切除方法などにより費用が変わります。100~200人に1人の確率で、切除後1~2週間以内に切除後出血による血便が起こることがあります。
所要時間は検査・切除全体で30分程度ですが、ポリープの場所・数・大きさなどによって所要時間は変わります。大腸の粘膜面には知覚神経がないので、ポリープを切る時には痛みは感じません。切除しやすいように空気(当院では炭酸ガス)を追加したり、より良い位置で切除を行うために内視鏡をひねったりする場合があり、一時的におなかが張ることはあります。
スネア(専用のワイヤー)をポリープの根元に引っかける。スネアを引き絞り高周波電流を流しポリープを焼き切る。
そのままではスネアが引っかけにくいので、ポリープの下(粘膜下層)に生理食塩水などを注入してポリープが盛り上がった部分にスネアを引っかける。スネアを引き絞り高周波電流を流しポリープを焼き切る。
予約日時は切除後2週間に下記の注意が守れる日にしてください。
ポリープを切除すれば傷ができます。切除後の傷が治るのには約2週間かかります。
高周波切除(熱で焼き切る)時には出血がなくても切除後2週間ぐらいまでは出血(0.6%)が、または、切除後3日間くらいまでは腸に穴があいたり腹膜炎等が起こる危険があります(0.04%)。
このため、切除後2週間は下記の注意が守れる日を選んで予約してください。
最近では、小さいポリープは高周波を用いず(熱を加えず)に切除(コールドポリペクトミー)することも多く、この場合は傷が浅く出血のリスクが少ないため下記の注意が緩和できます。
(切除したポリープの大きさや形、仕事の内容により変わります)切除日から3日間はできるだけ安静にしてもらいます。出勤と事務系の仕事、簡単な家事は切除翌日から結構です。力仕事(重いものを持ったりする)や重労働は腹圧がかかりますから2週間はできません。
長時間の入浴は3日間は避けてください。シャワーもしくは短時間であまり熱くないお湯で入浴を済ませてください。傷口に充血をきたして出血しやすくなる恐れがあります。
切除後10日~2週間は飲めません。充血し出血の原因になります。
抗血栓薬(バイアスピリン・プラビックス・プレタール・ワーファリンなどの脳梗塞・心臓病・その他血栓症の予防薬)を服用中の方は出血リスクが高いため、抗血栓薬が一時休薬可能な場合に限り当院での日帰りポリープ切除が可能です。内視鏡検査の一週間前までに外来診察にてお薬手帳等を確認いたします。一時休薬が可能かどうか(休薬によって血栓症のリスクが高まるため)を主治医の先生に確認する場合があります。
出血等の際には緊急止血処置が必要な場合もあるため遠方への旅行は2週間は避けてください。
腹圧がかかったり充血をきたす強い運動(自転車・30分以上の連続歩行・ジョギング・テニス・ゴルフ・水泳等)は2週間はできません。