各種検査
各種検査
ピロリ菌に感染した胃は慢性胃炎(ピロリ菌感染胃炎)となり、そのまま放置すると胃がんになる可能性が高まります。慢性胃炎が進行する前にピロリ菌の除菌を行うと胃がんの予防効果がより期待できます。そのため、早めの胃カメラ検査とピロリ菌検査をおすすめします。
ただし、ピロリ菌検査は胃カメラ検査等で慢性胃炎や胃十二指腸潰瘍等が確認されていないと健康保険が適用されません。
各種ピロリ菌検査の感度は100%ではありません。稀ですが、除菌後に微量のピロリ菌が残っていて、後に「再燃」する可能性も否定できません。また、除菌後に新たにピロリ菌が口から入り「再感染」する可能性もわずかにあり得ます。「再燃」と「再感染」の区別は除菌後1年を目安に判断されますが、厳密には区別が難しいこともあります。
基本的には必要ありません。しかし、潰瘍の再発や慢性胃炎の進行などピロリ菌の存在が強く疑われる際は再検査が必要な場合もあり得ます。
慢性胃炎の改善傾向はあります。しかし、進行した慢性胃炎の場合は正常の胃にまで治るのは難しいです。慢性胃炎は残り、胃がんのリスクもゼロにはなりませんので、除菌後も定期的な胃カメラ検査は必要となります。
ピロリ菌感染胃炎では、原因に対するピロリ除菌以外には特に胃薬等の服用は必要とは言えません。しかし、胃食道逆流症や機能性胃腸症などで、胸焼けや胃もたれ等の自覚症状がある際には必要に応じて投薬治療を行います。
胃がんの予防という観点からは、基本的には除菌治療をお勧めしますが、全員に必ずというわけではありません。胃がん・胃十二指腸潰瘍のリスク、ご本人の体調(合併症)・年齢・除菌治療希望の有無、治療薬の副作用リスク等を考慮して、除菌治療のメリットとデメリットのバランスを考えたうえで治療方針をご提示していきます。
超音波検査(エコー検査)は、プローブという箱を体に当てるだけで内臓の状態を調べることができる、非常に安全でこれといった副作用もない(痛みや苦痛もない)検査です。ですから、医療現場で最も頻繁に行われる検査法のひとつです。腫瘍などの有無だけでなく、その大きさ・形・血流や深達度(どのくらいの深さまで達しているか)も調べることができます。
食後や排尿直後だと見えにくくなってしまう臓器があるため、空腹時に尿を貯めた状態で検査を行います。お腹が見えるようにして、ベッドで寝て検査を行います。
腹部にゼリーを塗って超音波端子を当て腹部の中を観察します。
肝臓、すい臓、胆のう、腎臓、脾臓、大動脈、前立腺、子宮、膀胱などの観察が可能です。
この検査で調べられる臓器は多岐に及び、一般的には肝臓・胆のう・膵臓・脾臓・腎臓・を対象とする。時に骨盤内臓器(膀胱・前立腺・子宮・卵巣)も走査できます。なかでも胆石・胆のうポリープ、早期肝臓がんなどの発見に有用です。
レントゲン検査は、X線(エックス線)を体にあてることにより、画像化する検査です。
健診でも行う胸部レントゲン検査などX線を使用する検査として最も一般的な検査です。肺以外にも腹部や骨の状態などを見るときに用います。
心電図検査(安静時)とは、横になった状態で心臓が動く際に生じる微弱な電気信号を捉えて波の形に表した検査です。波形の変化から不整脈、狭心症や心筋梗塞などがないか調べることができます。